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アイリスの花弁分化時期

Timing of petal initiation in Iris



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 Fig. Initiation and development floral organs in iris.

1) Initiation of stamens, outer and inner perianthes, 2) A horizontal view of Fig.1, 3) Beginning of stamen development, 4) Enlargement of Fig.-3, 5),6),7) Development of floral organs.


 Beyer (1942)はグラジオラス,アイリス,クロッカスなどのアヤメ科花卉においても花被分化前に雄ずいが分化するとしている.しかし小杉(1955)及び Kosugi et al.(1967)はフリージアとジャーマンアイリスの花芽発達段階を分類し,外花被と雄ずいの分化を同じ発達段階で扱っており, Rees(1985)はアヤメ科花卉の花被は雄ずい分化の後に分化するとしている.

 走査型電子顕微鏡での観察結果,アイリスの花被は雄ずいとほぼ同時に分化した.アイリスの小花では,直径約 200μmの茎頂部(1)が2〜3倍のドーム状となり(2),その後茎頂部が平坦状となった(3).やがて茎頂の周囲の3方向が盛り上がり,雄ずいが確認された(1,2).分化直後の雄ずいは,長径が約 200μm,短径が約 80μmとなり,高さは約 30μmであった.この時,雄ずいの直下では外花被と考えられる,極めて微細な隆起が認められた(1,2).外花被原基の長径は 250μm,短径は 30μm程度と比較的大きかったが,高さはほとんどなく,側面からの観察が極めて困難であった.鉛直方向からの観察では僅かなくびれとして認めることができた(2).また,3枚の内花被のうち,側面の2枚と考えられる突起がこの時同時に観察された(2).しかし,内花被は外花被より更に微細で,直径が 50μm以下のため高さの測定はできなかった.その後,雄ずいの高さは50μm程度になり,外花被との境界もはっきりと現われた(3,4).外花被はその後上方に伸長し,内花被も幅と高さ共に 100μm程度となり,はっきりと確認されるようになった(5,6).しかし,花被の伸長割合は雄ずいの伸長割合に比べ小さかった(7).


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