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第9話 〜対日感情とレイトアライバル〜


 ノースウエストの国内線への道はすぐに分かった。通路の手前に、ベルトコンベア。まごまごしていると、係員が私のスーツケースのタグを見て、問答無用で取り上げてベルトコンベアへ、そして私に「行け」と手で合図。。。そう、あの例の親指を立てて「Go!」ってやつ。親切なんでしょうけど、とても不安。ちゃんとモントリオールのドバール空港で荷物出てくるんだろうなぁ。。OHPとかは、手荷物で持っているから、大丈夫だけど。スーツはあの中。もし、荷物が出てこなかったら、ジーパンで発表だよ。
 不安なまま、ゲートを側にあった案内モニターで確認。次のNW1106便はE6番ゲートらしい。そっちに移動する。対日感情の悪いデトロイト。。。。って、おい!日本語表示だらけやんけ!
「出発ロビー」とか「手荷物」とか。「うどん、そば」ってのもあるやないか〜〜!トイレに行きたくなったので、探すと「御手洗」と書いてあって、「婦人用」「殿方用」と漢字で書いてある。今時、日本でもあまり「婦人」とか「殿方」っちゅうのは使わないような気もするけど。それに、手洗でしょうに。60年代やな。

 めっちゃ日本人サービスしてるやん!

 で、その「殿方」に入って、すっきり。しかし、ここでまた、ハタとまた不安になる。「ちょっと待てよ。。。モントリオール到着は19時頃やったはず。ホテルに遅れるって言わへんかったら、、、そう、レイトアライバル(延着)の連絡せえへんかったら、予約取り消しになるんとちゃうやろか!」時計を見ると、15時30分。旅行書にはチェックインが18時を過ぎる場合、ホテルに連絡しておかないとイケナイ・・・・と書いている。
 で、公衆電話を探す。電話はすんなり見つかったものの、どうやって掛けるんだ?じぇんじぇん分からない。また、分かっても英語での電話のやりとりなんて。。。
 数分間の躊躇。。。でも、躊躇してるだけではどうにもならない。意を決して、とりあえずホテルの番号をダイアルして機械に25セントを入れると・・・・・なにやら、機械のメッセージが聞こえて、数回繰り返して切れる。もう一度やってみるが、、、やっぱり同じメッセージで切れる。なんとか聞き取ると、どうやら長距離になるので、お金が足りないと言ってるらしい。そら、当然や。
 この電話、クレジットカードも使えるのだが、、、使えるカードはアメリカンエクスプレスとマスター。私のビザカードは使えない〜!それにそんなに大量の硬貨も持ってないし、コレクトコールのかけ方なんてわからないし〜〜〜〜!(今から考えると、売店でテレカ買えばよかったんだ)
 仕方ない。電話、かけられない。ふえ〜。ホテル大丈夫かなぁ。そもそも、予約自体が怪しいもんなぁ。不安だよ〜。

 で、登場ゲートの前の席に、不安を抱えたまま、ぽつねんと座ってた。

つづく