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act.68 どら平太

 時代劇。役所広司主演。とある小藩。藩内の不正を正す密命を帯びて、新任町奉行に着任した望月小平太(役所)。藩の重役達の反感を買いつつも、不正の温床となっている「堀外」に乗り込み、3人の親分とやり合う。そして親分達と藩の重役とのパイプ役が分かるのだが。。。。
 「痛快時代劇」とあるだけに、本当に痛快。役所広司の着こなし、殺陣、イキさ。はまってます。また、脇を固めるのは小平太の友人の宇崎竜童、片岡鶴太郎、江戸から追いかけてくる芸者の浅野ゆうこ、堀外の親分の菅原文太、石橋蓮司、石倉三郎。まぁ、何の心配もない。他の映画評では浅野ゆうこがハマッてないって言う向きが多いけど、私には違和感ない。むしろ最近の浅野ゆうこの魅力が十分出てたと思う。それが、わからないのは、ヤボ。堀外の親分達が、潔よすぎる感もあるけど、観ている安心感からすればOK。
 そして、イキな殺陣が満載にも係わらず、映画を通して死ぬのは1人だけ。その死がどら平太の静かな怒りとなって、重役達を追いつめる伏線になっている。そう、死に十分な意味を持たせている。
 ま、とやかく言わなくても、とにかく「痛快」で、「面白い」ですよ。

(2006.10.22)


act.67 復活の日

 これも、原作を読みながら見るべき映画。草刈正雄主演。原作は1960年代後半(発表は1964)、映画は1980年の設定。米ソ冷戦時代。細菌兵器が、事故でチベットの山中でばらまかれる、そして半年で全人類が絶滅する。南極を残して。。。小松左京の原作。だから、原作はものすごい筆力で、半年で人類を絶滅させてしまう。映画は深作欣二監督で、ジョージケネディーとかグレンフォード、ロバートボーン、オリビアハッセーなどのハリウッドの俳優も使って、日本側は草刈正雄を初めとして多岐川裕美、緒形拳、千葉真一など実力派の役者を揃える。南極ロケや本当の潜水艦を用いた撮影など、当時の角川映画の勢いも感じられる。

 映画のストーリーと原作では微妙な違いがある。まず、世界を滅ぼす細菌兵器「MM-88」が原作では宇宙から採取された「核酸」だったけど、映画では遺伝子操作で作られた「ウイルス」になっている(海外公開のタイトルも「VIRUS」)。また、原作では半年で世界は死滅するが、映画ではもうちょっと長くかかっている。南極で生き残る人類は原作は1万人に対して、映画は80人。(多分、各国の南極観測隊の総数が実際は1万人も居なかったのか?)などなど。ま、そこらへんの細かな違いはたくさんあるけど、最大の違いは。。。

 人類が死に絶えたた世界。しかし、人間の憎悪だけが生きていた。米ソ両国のARS・・・自動報復システム・・・どちらかが核ミサイルを撃つと、自動的に報復攻撃を行うシステム。そして、ソ連のARSの標的には南極が含まれていた。草刈正雄演じる南極の地震学者は、ワシントンに震度9クラスの地震が起きることを予想する。制御する人間の居なくなったARSは地震を核攻撃と見なしてソ連に核ミサイルを打つ、それに対抗してソ連からミサイルが打ち返される。アメリカのARSを停止させるために、地震学者の草刈正雄とアメリカの将校が原子力潜水艦でワシントンに向かう。しかし、寸前で間に合わず、ミサイルは発射される。。。。映画では南極も核ミサイルに晒されるのだけど、原作では結局ソ連のミサイルは南極を標的にしていなかった。ワシントンから草刈正雄は歩いて南極まで帰って来る。原作では、草刈正雄は放射線の影響で精神錯乱してたけど、映画ではそうは見えない(はっきりとは描いていないが)。

 ま、そんなこんなで、映画としてはよくやっているとは思うけど。。。いかんせん、原作のスケールが大きすぎるために見劣りがするのは否めない。特に原作は40年前に書かれているが、鳥インフルエンザなんかがあると、なんとなく気持ち悪くなるもんなぁ。

(2005.2.13)


act.66 突入せよ!「あさま山荘」事件

 原作は佐々淳行氏の「連合赤軍「あさま山荘」事件」。昭和47年に実際にあった事件。連合赤軍がどんづまりで、追い込まれた末の事件。この後、ハイジャック事件などを経て、連合赤軍は日本から姿を消していく。そして、今の北朝鮮問題を複雑化させている要因にもなっている。

 左翼革命闘争なんて、最近の人にはわかんないと思うので、超おおざっぱに。戦後、公認党となった共産党。共産主義の目標の一つが、暴力革命による資本主義および帝国主義の打倒。占領軍はそれまでの軍国主義から日本を民主的な社会にしようとして、一旦共産主義勢力を養護する。しかし、ソ連が強大化してきたので、共産主義勢力の締め付けにかかる。代表的な政策が「共産主義者の公職追放(レッドパージ)」。いくらなんでもそりゃひどい。と言うわけで、彼らも反発を行う。初めは、民衆も彼らをある程度支持していた。ところが、暴力革命を目指している以上、反発はテロとなる。そうすると、今度は民衆の支持を得られなくなる。そこで、共産党は急先鋒な連中を切り捨てる。切り捨てられた連中は、恨みを持ってますます先鋭化する。一番盛り上がるのは60年と70年の安保闘争。特に60年の時は、本当に革命が起こるのではないかと、政財界が本気で心配したらしい。連合赤軍はその中でも、関西が発祥の特に武装闘争に重きを置いた連中。しかし、安保闘争が不発に終わると、彼らのエネルギーは陰湿に、内に籠もって行く。闘争と逃亡の生活の中、少しでも日和見的な言動をした者は、総括と言う名のリンチ殺人を行う。そんな彼らの逃亡の果てがこの事件。

 幼い頃だったけど、山荘に鉄球が打ち込まれる映像は覚えている。大人達が妙に興奮していたのも覚えている。でも、なんでそんなことになっているのは、ぜんぜん分からなかった。

 逃亡の果て、警察に追われて長野県のカワイ楽器の保養所「浅間山荘」に管理人の奥さんを人質に立て籠もる。人質の救出と制圧に当時の後藤田長官が送り込んだのが、佐々淳行氏。地元警察との対立や警察流の縦社会の問題、マスコミとの軋轢。そして、部下の殉職。様々な困難を抱えながら、人質を確保し犯人を全員検挙した。佐々淳行氏を役所広司が演じている。原作を読みながら見るのが面白い。だけど、当時の連合赤軍の事を知らない人には、全然面白くないだろうなぁ。

(2005.2.13)


act.65 ラストアクションヒーロー

 シュワちゃんの、、、なんになるんだろう?(笑)アクションコメディーだな。映画好きな少年が魔法のチケットで映画の世界へ。シュワちゃん演じるヒーローと大暴れ。と、悪役が魔法のチケットを手に入れ現実の世界へ。追いかける少年とシュワちゃん。映画の世界での常識は通用せず、シュワちゃんは瀕死の重傷を受ける・・・・。ってな内容。別に考えなくても良い。(笑)気楽に見れます。結構マジメにコメディー作ってるので、楽しめます。カメオでいろんな人が出ているので、それもチェックすると良いでしょう。

(2005.2.6)


act.64 キャストアウエイ

 トムハンクス演じる国際宅配会社のモーレツ社員(ふるっ)が飛行機事故で絶海の孤島に。バレーボールで作った人形で孤独や自然と戦いながら、4年間のサバイバル。意を決してイカダを作り海にこぎ出す。瀕死となっているところを貨物船に助けられる。そして、地元に帰ると妻は再婚していた。。。。。面白いんだけど、ちょっと、消化不足。孤島でのサバイバルと、帰ってからの生活とのギャップを、もっとコントラスト強く表現できたらなぁ。

(2005.1.30)


act.63 コマンドー

 シュワちゃんの出世作。悪にはタマが当たるけど、シュワちゃんには決してあたらない。「んな、アホな」。ストーリー的な重みは、別にない。全編、「んな、アホな」。だから、気軽に見れるのね。

(2005.1.30)


act.62 ウオーゲーム

 22年前のアメリカ映画。当時私は悩める青春時代真っ盛り。コンピューターおたく(古いなぁ)の高校生。企業や学校のコンピューターに電話回線で進入して、データーを盗んだり改ざんしたりと、ハッキング三昧。(・・・通信手段、電話カプラーだよ・・・今のブロードバンド時代では考えられない。150とか300bpsなんじゃない?現在、一番早いのは100Mbpsの光として・・・・すごいね。たった20年かそこらで通信速度は100万倍。。。)その高校生が国防省の戦略コンピューター「ジョシュア」をゲーム会社のコンピューターと間違えてハッキング。米ソのミサイル戦争ゲームを開始してしまう。途中で気付いた時には、もう手遅れ。「ジョシュア」はミサイル発射に向けて戦略を着々と進める。FBIに捕まるが、脱出。世捨て人となって暮らしている「ジョシュア」の開発者を捜し出し、国防省の司令部へ。アクセスを拒む「ジョシュア」に3目並べをさせ、ミサイル戦争が「勝者のないゲーム」であることを学習させ、間一髪でミサイル発射をくい止める。当時としては最先端。コンピュータが自我に目覚めて、核戦争をやろうと言うストーリーは「ターミネーター」と同じ。この映画が流行った当時は、真っ暗な受験時代。テーマ曲をちょっと気に入っていて、当時のほろ苦さを思い出します。

(2005.1.30)


番外 ハウルの動く城

 と、上記をUPした翌朝。嫁さんのお爺さんが亡くなった。葬儀や法事や年末年始も重なっていろいろ心忙しかった。その後も色々心忙しい事が多く、「なるほど、さすが前厄」。

(2005.1.29)


act.61 ハウルの動く城

 珍しく新作(笑)。公開初日に見に行った。最近は、ネットでチケット&座席予約できるから、便利ね。さて、映画だけど、全体的なトーンは「魔女の宅急便」。飛行機械や戦争のシーンは「ラピュタ」、魔法がらみのシーンや、謎のカカシさんなんかは、「千と千尋」だね。あ、そうそう、食べ物は「ハイジ」だ(笑)。(劇中に出てくる、ベーコンエッグが旨そうだった)まぁ、同じ監督の作品だからね。特に泣けるとか、血湧き肉躍るとか、そう言うこともない。そんなにドキドキもしない。「まぁ、そうなんだろうなぁ」と言うストーリーです。宮崎アニメのいろんな要素が入っていることは確かなので、ファンは堪能できるでしょう。

(2004.11.20)