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ミッションインポッシブル・イン・グアム


 新年あけましておめでとう。
 このチキンハートストーリーも宙ぶらりんのまんま、3年経ってしまった。この間に遊びでケアンズ、仕事でタイ、ラオスと行ってしまった。ケアンズの旅は何事もなく、穏やかだった。ラオスには約2週間滞在して、決して観光では行けない様な奥地の村にも行けたのでとても楽しかった。
 で、最近海外に出ていなかったので、年末から国外に出ることにした。夫婦で何処に行こうか検討。冬なので、やっぱり暖かい所がいい。短い休暇なので、飛行時間は短い方がいい。てな感じで検討したところ、グアムとシンガポールに絞られた。とりあえず第一候補としてグアム、第二候補としてシンガポールを設定し、BeBe御用達のHトラベルのT氏に相談すると第二案は一蹴され、グアムに決定。まぁ、なんと言っても飛行時間時間ってのが最大の魅力。テロの影響で客は減っているそうだけど、まぁ大丈夫・・・・じゃないかも知れないけど、どこに居たって危険は付き物なんだから。
 さて、今回はのんびり旅行ってことで、JTBのパックツアー。出発は仕事納めの12月28日、午後10時55分関空発の全日空173便。ホテルはグアムアウトリガー。オプションは現地で考えましょう。帰国は明けて1月1日の午前4時40分グアム発の全日空174便、関空着は午前7時15分・・・ってことは、初日の出は飛行機から見える???
 まずは荷造り。あったかい所に行くので、着るものは少なくていいからスーツケースはBeBeの小型1個で十分。後はお互い機内持ち込み1個づつ。この身軽な荷造りが、この後に思わぬ効果を引き出すのだが。。。
 さて、当日。12月28日。仕事納めなので、昼を過ぎると仕事はほとんど終わる。で、午後3時過ぎに早々と退社。4時頃には帰宅。ここから関空までは、

 丸亀:18:15 ―  岡山:18:57 しおかぜ26号
 岡山:19:05 ― 新大阪:19:51 のぞみ28号
新大阪:20:16 ―  関空:21:03 はるか57号

 のスケジュール。岡山駅の乗り換え8分がちょっとキツそうだけど。。。。
 5時30分にタクシーを呼んで、丸亀駅へ。まずは、駅の薬局へ。ケロヨンはなくなっていて店にはおっちゃん。店の入り口で「やっぱりビオフェルミン止寫薬かなぁ?」と大声で夫婦で喋りながら入っていったら、おっちゃんビオフェルミン止寫薬の箱を持って待ち構えていた(笑)
 さて、ホームにスーツケースをよいこらしょと持ち上げて、ホームでしおかぜを待つ。6時15分、、、来ない。20分。。。。来ない。。。ホームのアナウンス。「え〜しおかぜは、現在10分遅れで運行しています」え?ええええ〜!?ち、ちょっと待ってくれ、岡山の乗り換えは8分しかないんやど!それが10分遅れ・・・・

8−10=−2

 マイナスやんけ!

 関空に着くのが今でもぎりぎりのスケジュールなのに、のぞみ28号逃したら。。。。。ヒコーキ間にあわへんやんけ〜!代金もパ〜になってまうやんけ〜〜〜〜!!と、夫婦すっかり狼狽。
 結局しおかぜは10分遅れの6時25分に到着。狼狽した夫婦を乗っけて、しおかぜはあたふたと発車。
 しおかぜの遅れはなにも今更始まった事じゃない。丸亀駅で3〜4分遅れはよくある話で、単線区間が多いからやむを得ない。でも、いつも瀬戸大橋で取り返す。今回もそんな感じで取り返すのだろうか。。。。と、思って、検札に来た車掌さんに聞いてみた。

「のぞみ28号、接続しますよね?」


「いや。。人身事故で遅れているので、、、何とも」


「え。。。のぞみをちょっと待たす訳にはいかないの?(無茶)」


「JR四国からは、なんとも出来ないですねぇ。なんとか回復運転には努めていますから。」

 事故の遅れでは、どうにも文句の言いようがない。過去の経験で、岡山駅乗り換え2分と言うのはやったことがある。しかし、今回はスーツケースがあるからなぁ。。。

「時間に余裕があったのに、一本前の汽車に乗ればよかった・・・」半泣きで後悔するBeBe。

 しかし、しおかぜも必死で走っている。そして、岡山駅までになんとか7分取り戻してくれた!乗り換え時間4分!気を取り直して、気合を入れ直す。
 停車と同時にスーツケースを小脇に抱え、走る!本当にスーツケース1個にしておいてよかった!新幹線乗換え口まで階段を駆け上る。そして、新幹線乗換え口の改札、改札も検札を行わず、「急いでください」との声援(?)。
 新幹線ホームへの階段を駆け上り・・・・と、ここで2人ともダウン(笑)。息もそんなに切れてないけど、とにかく筋肉が動かない(爆)。急激に限界が来た。それでも、なんとか上りきったところへ、のぞみ28号がホームに滑り込む。

間にあった!!


 喜びと疲労でがっくりする2人。2人の席は7号車。ホームの表示の場所で暫し放心。のぞみ28号が停車し、ドアが開く。放心した2人の前に、8号車のグリーン車から人が降りてきて2人の目の前を横切った。2人とも疲れ果てながらも「あれ?」
 自分たちの席に落ち着いて、いい加減経った頃、お互い「あれ、サッカーのナカタだったよね?」・・・そう、セリエAの中田。。。。しかし、後日スポーツ新聞を検索すると、確かに12月25日に友人の結婚式で中田はおしのび帰国しているけど、26日にはイタリアへ帰る予定とか。。。でも、帰ったとは書いていないし、その後は30日の練習開始の記事までその行動は書かれていない。2人はあれは中田だと確信している。
 ま、それはともかくホッとした2人、新大阪駅で駅弁を買って、はるかの中でパクつく。はるかには、テーブル無いのがちょっと不便。そして定刻どおり、関空に到着!

やった〜!


 手荷物預け所に帰国までジャンバーを預けて、4階のJTBカウンターへ。ここで関空使用料を支払い、パスと航空券を貰ってANAカウンターへ。ここで、航空券を搭乗券に替えて、スーツケースを預けて、出国手続き。
 搭乗券には「A」と言うスタンプが押されている。なんだろ?と思ったら、私たちのデータをアメリカに送って、向こう(FBIかなぁ?)で照会済みということらしい。
 免税店をぶらぶら見て、ゲートに進む。予定を10分くらい遅れて搭乗開始。フィンガーの中でも「あやしそうな人」だけ、手荷物チェックが、当然BeBeは通過するけど、私は呼び止められて、リュックの中身を調べられる。まぁ、仕方ないか(笑)。
 機内に入ってからの飛行は、3時間30分。とてもあっけない。特筆することはなにもなく、現地時間の朝の4時前にグアム着。「え?もう着いたん?」って感じ。
 さすがに空港には銃を持った兵隊さんが配備されているけど、早朝と言うこともあって、とても静か。でも、空気がしめっぽく、熱帯特有の甘いような香りが漂う。「これこれ、この空気のにおいがいいんだよ!」と興奮する2人。入国審査も何の支障もない。スーツケースを受け取ったら、後はJTBの現地係員に従ってバスでホテルへ。フロントでは既にキーカードや案内書が用意されいて、5時過ぎには部屋に。このスムーズさがパック旅行の良い所。いろいろ疲れたので、とりあえず寝る。
 8時30分に目覚める。部屋は17階。もちろん、オーシャンビューでとても綺麗。

 ちょっと小腹が空いたのと、これからのスケジュールを決めるためにとりあえず、ホテルの斜め向かいのJTBのツアーデスクへ行こうと部屋を出る。
ホテルの正面玄関にコーヒーショップがあったので、そこで2人はカプチーノと、私はサンドイッチ、BeBeはパウンドケーキを買って、テラスでゆっくり腹ごしらえ。

 そして、ツアーディスクに行くと、まもなく無料の半日ツアーが出発すると言うので、乗っかる。恋人岬、海中公園、日本軍の防空壕跡やスペイン広場にマーケットで終点。

 マーケットで買い物をして、トロリーバスでホテルへ。夜は近所の韓国焼肉。。。ポルノショップと実弾射撃場に併設とは言え、ハイアットホテルのまん前なのに、お客が居ない。店も綺麗なんだけど。店のおばちゃんつきっきりで肉を焼いてくれる。なんだか恐縮。しかし、そういえばビエンチャンで行った韓国焼肉のお店でも、お姉さん2人で焼いてくれたなぁ。
 食事後、店の1階のコンビニ「ABCストア」で翌朝の朝食のためにパンヨーグルトを買ってホテルへ戻って寝る。
 12月30日。朝7時起床。昨夜買ったパンとヨーグルト、そしてコーヒーで朝食。

 今日は昨日ツアーデスクで申し込んだ南部観光とココス島ツアー。8時にピックアップしてもらって、横井さんの資料のあるドライブインとか(横井さんて、誰って!?・・・自分で調べて)、先住民族の文化村とか、スペイン領時代の砦とかを巡って、フェリーでココス島へ。

 この島で昼食を取って、シュノーケリングを楽しんだ。とにかく、遠浅なので溺れる心配はない。他の人はパラセーリングとかバナナボートとかを楽しんだよう。


 フェリーでバスに戻って、ホテルへ。この時貰った絵葉書には、こんな文句が書かれてあった。
「9月11日以来、私たちは改めて認識しました。私たちの小さな島は皆様が来て下さることで支えられていることを・・。グアムへ来て下さった皆様の決断と勇気に心から感謝いたします。そしてお願いがあります・・。皆様の大切な方たちにグアムがいつも通り美しく、あたたかい島であることを伝えて下さい。」


 確かに、観光客は減っているんだろうなぁ。この日のツアーも「比較的人気」と書いてあったのに、バスは30%くらいしか埋ってないし、街中もそんなに人がうじゃうじゃって感じでもない。
 グアムの街中は、治安も良好のようで、ヘンな客引きもあまり居ないし、ホノルルよりは安心して歩ける感じ。それでも、引ったくりとかは居るようなので、一応注意はしましたけど。
 気温は暑すぎもせず、寒すぎもせず。海に入るとき、ちょっと冷たいかな?観光名所と言うのもあまり無い。また、消費税がないので、買い物はやりやすい。しかし、円安だったので、ブランド物が格安ってこともない
 この日はその後スーパーに寄って、それから日本風の居酒屋で定食を食べた。ご飯もまぁまぁ美味しいし安かった(から揚げ定食12ドル)。そして、就寝。
 大晦日の朝。今日が最終日。なんと言うことはなく、グアムの生活も終わり。今日はホテルの周りでショッピング。お土産を買い込む。ただ、新婚旅行じゃないから、それも最低限度。・・・この最低限度の買い物が、これまた後でポイントとなる。
 これまで焼肉とか居酒屋だったので、この日くらいはアメリカンフードってことで、ホテル横の「ハードロックカフェ」で昼食。店の真ん中にキャデラックのようなハンバーガーとポテト、それにコーラと言う思い切り胃腸に悪そうな内容。でも、美味かった。

 腹ごなしに、これまたホテル横の「アンダーウオーターワールド」と言う水族館へ。ここで、ちょっと奇妙な目に会うんだけど、書くとヤバイので知りたい人はメールを。とにかく、ここで10ドル儲けた


 その後、ホテルのプライベートビーチとプールで1時間ほど泳ぐ。プライベートビーチの砂は珊瑚の砂で細かい。ココス島のビーチよりはよかった。

 泳いだ後、午睡。昨日、ニューイヤーイブのディナーを予約していたので、6時にビーチサイドへ。生演奏付き65ドルのコース。まぁ、こんなもんなんでしょうね。お味もまぁまぁ。新婚旅行で行ったハワイよりは全般的に美味しかったような気がします。(ハワイも今回のように自分で探せば美味しい店があったんだろうけど、、あの時はミールクーポン付けちゃってたから)


 さて、部屋に帰って、お土産の荷造り。帰りのバスは朝の3時に迎えに来る。ベッドに入って衛星中継のを見ながらうつらうつらする。外はちょっと長めのスコールで、外に出ていた人たちも静かになったよう。1時くらいまでうつらうつらしようと思っていたら。。。24時。新年と同時に花火がド〜ン!起き上がって見ていると、結構たくさんの花火が沖合いの船から打ち上げられる。とても綺麗。30分に渡っての打ち上げ花火を17階から2人で眺める。

 花火が終わって、を最後まで見ながら(グアムの方が1時間早い)しばらくうつらうつらしていたら、1時30分。身支度を整えて、2時30分にスーツケースを持って部屋を出て、エレベーターへ。下へのボタンを押すと・・・・ありゃ?
 エレベーター止まってる。。エレベーターホールの電話で聞くと

火災報知機が働いて止まってます。もうちょっと待って下さい」

 とのこと。しばらく待ってると、別のご夫婦が来る。「エレベーター止まってますよ」と言うと。まじめそうな旦那さん「ほんとうですか?」美人の奥さん不安そう
 しっかし、待てど暮らせど動かない。2時50分!とうとう、まじめそうな旦那さんご夫婦は痺れを切らせて大きなスーツケースを抱えて階段を降り始めた。我々は、もう一度電話

「3時にピックアップで、急いでるんやけど」

フロント「もうじき動くと思いますけど、歩いても数分ですよ。。。

おいおい、こりゃあかん。こっちもスーツケースを抱えて階段へ。17階一気に降りる。非常階段はセメントがこびりついていて、まるで「タワーリングインフェルノ」のよう。(BeBeは「タイタニックみたい」と言っていた。この辺りが世代の違い。。。)
 こっちは荷物が少ないので、5階付近で先のご夫婦に追いつく。さて、下に降りていくのだけど、なんだかロビーがない。2階ほど降りすぎて、プール階に着いてしまう。ここで、先のご主人、力が尽きて階段の内側に荷物を置いたまま、階段から階に出た。階段のドアが閉まる・・と!この階段のドア、内側からは開いても外側からは開けられない!!向こうの夫婦のスーツケースは、ドアの向こうに取り残された。クタクタになった旦那さん、

「なんなんだよ〜!」

と世の中を呪ってドアを蹴る。わたしも、これ、ちょっとマズイな」と思ったので、「誰か呼んできます!」と、BeBeとご夫婦を残して上がり階段を探す。昨日プール階とロビー階には別系のエレベーターがあったのを確認してたので、階段もそっちだろうと思って、探すとビンゴ!上るとロビー。傍にいたセキュリティーの腕をつかんでプール階に。
 その間、BeBe達も私の行方がわからなくなったけど、とにかく戻るまでじっとしていようと決めてじっと待っていたらしい。その間に別のホテルのスタッフが階段から来て、無事にスーツケースはご夫婦に、丁度その時私もセキュリティーを連れて戻って来たが、まぁ、よかった。今から考えると、17階で待ってりゃよかったとは思うけどね(笑)。
 さて、何事かと思いきや、大晦日で酔っ払った連中で悪さして、エレベーターを止めたらしい。当事者のごつい黒人は手錠をかけられて御用
 とにかく、無事にチェックアウト出来て空港行きのバスにも乗れたので、一安心。私がチェックアウトしている間に向こうの美人の奥さん、BeBeに「一緒に居てくれたから心強かったです」と言ったらしい。ちょっとスリルだったけど、こっちに来るときのしおかぜほどドキドキはしなかった。
 空港に着いた後、落ち着いた向こうの夫婦の旦那さまが「どうも、ありがとうございました」と挨拶してくれました。その後は、順調に出国して、搭乗。
 ちゃんと初日の出も機上から拝んで、関空に到着。

 そのまま3日まで大阪の実家で過ごす。2日に初詣。みんな着替えて「さぁ、出かけよう」と・・・突然、オヤジが皿回しをはじめる。なんの脈絡もなしに。おかんも始める。おかん、皿だけでなしにザルも回す。両親は知らない間に「皿回し」を身につけていた。なにやら、「皿回し講習会」に通っていたらしい。我が家ではこんなこと別に特筆すべき事でもないが、BeBeは「えらいところに嫁に来た」と改めてビビッたらしい。もう手遅れじゃ。


 そんなこんなで、親戚達の攻撃も受けて、帰る3日大雪で名古屋〜京都の新幹線が大乱れ。どうも、この旅はマトモに交通が動かないらしい。しかし、もう2人ともこれくらいじゃ動じない。予約していたのぞみ15号は90分遅れ、これをあきらめて、レールスターで立って、今度は余裕で16時22分岡山発のしおかぜ19号に乗って、17時に丸亀に帰った。
 帰ってから、やっぱり17階をスーツケース持って降りたのが効いていたようで、身体右半身が筋肉痛。小さいとは言ってもよく持って降りたよ(笑)。

 ま、海外旅行行くときは、時間に余裕を持っておくことが肝要でしょうね〜。


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